歯周病
歯周病ってどんな病気?
歯周病とは?

歯周病とは、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患のことです。
歯周病は少しずつ進行していく疾患で、炎症が歯肉のみに収まっている状態を「歯肉炎」、炎症が歯槽骨や歯根膜まで拡大している状態を「歯周炎」と呼びます。
歯と歯ぐきの間にある溝を「歯周ポケット」と呼び、この部分の清掃が十分にできていないと、歯垢がたまって炎症が起きます。
炎症が進行するにつれて、歯周ポケットが少しずつ深くなっていきます。
歯周炎が重度になると、歯を支える土台である「歯槽骨」が破壊され、歯がグラグラしてしまうため、抜歯をしなければならなくなってしまいます。
こんな方におすすめ
- 歯をみがくと血が出る
- 朝起きた時、口の中がネバネバする
- 口臭が気になる
- 歯肉(歯ぐき)の下がりが気になる
- 歯間に食べカスがよくつまる
歯周病の進行過程
軽度歯周病

状態 | 歯周ポケットの深さが3mm〜4mm。歯の表面に歯垢、歯石が付いており、歯茎の炎症に加え骨のわずかな吸収がある。 |
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症状 | 歯ブラシを当てると痛みがあり、出血してくる。 |
中等度歯周病

状態 | 歯と歯茎の間に歯石が付いており、歯茎の炎症、骨の吸収があり、歯周ポケットが4mm〜6mmと深い。 |
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症状 | 歯茎に歯ブラシが当たると痛く出血しやすく、歯と歯の間の歯茎がブヨブヨして腫れている。歯の揺れが認められる。 |
重度歯周病

状態 | 歯と歯茎の間に歯石が付いており、歯茎の浮腫、骨の吸収があり、歯周ポケットが6㎜以上とかなり深い。 |
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症状 | 歯茎に歯ブラシを当てるだけで痛みがあり、出血を起こし、歯の周りの歯茎が全体的にブヨブヨしており、歯の揺れも激しく、噛んだ時も痛みを生じる。 |
歯周病の治療法について
軽度歯周炎の場合
スケーラーと呼ばれる特殊な器具を使用し、歯の表面や根の周りに付着した歯垢や歯石の除去を行います。
中等度歯周炎の場合
歯垢や歯石除去を行いますが、歯周ポケット奥深くに付着した歯石除去には痛みを伴うことがあるため、麻酔注射が必要になります。
また、外科的な治療(手術)を行うこともあります。
重度歯周炎の場合
歯垢や歯石除去、外科的な治療を行いますが、状態が改善しない場合、抜歯となるケースもあります。
歯周病の予防について
歯周病を予防するには、セルフケアと歯科医院で行うメンテナンスが重要です。
歯周病は生活習慣病のようなものです。
どんなに良い治療を受けたとしても日々のセルフケアや定期的な歯科医院でのメンテナンスを怠ればすぐに再発してしまいます。
自分の歯を一本でも多く残すためにもセルフケアとメンテナンスを徹底し健康的な歯でより良い生活を送りましょう。
お口の中の状態は一人一人違います。歯みがきの仕方も一人一人に合ったやり方があります。ぜひお気軽にご相談下さい。
当院の歯周病治療における特徴
中等度以上の歯周炎を治療する場合、歯周ポケットの奥深くの歯石除去や外科手術を行うことがございます。当院では、このような麻酔注射を伴う治療を行う際、痛みへの配慮にこだわっております。
最初に歯の表面に麻酔を塗布してから、極細針で麻酔注射を打ちます。麻酔が十分に効いたことを確認してから歯周病の治療を開始するため、痛みを心配することなく治療に専念していただけます。
歯周病治療のメリット
歯周病を治療すると、歯肉の炎症や腫れ、出血などを抑えることができます。
また、歯周病菌によって引き起こされる糖尿病や心臓病のリスクを回避することもできます。特に歯周病と糖尿病は相互関係がとても強く、歯周病の方は糖尿病になりやすく、糖尿病の方は歯周病になりやすいです。一刻も早く治療を開始して、他の疾患も予防しましょう。
当院の歯周病治療の流れは?
当院が実施する歯周病治療の流れをご紹介します。
歯周病は適切な処置を受ければ治る疾患です。
まずはお早めにご来院いただき、早急に治療を開始することをおすすめいたします。
1.歯周ポケットの測定
まず歯周ポケットの測定から行います。
深さは1~3mmが正常、3~4mmが軽度歯周病、4~6mmが中等度歯周病、6mm以上が重度歯周病です。
歯肉から出血はしていないか、歯がグラグラしていないかなどの症状も診察いたします。
2.ブラッシングの指導
歯科衛生士によるブラッシング指導を実施いたします。
歯周病の原因は蓄積された歯垢であり、治療を進める上でこの歯垢を除去することは必須です。
また、歯垢を日頃から適切に除去できれば、歯周病の完治後も予防につながります。
まず普段の歯磨きを拝見し、磨き残しがないかのチェックと、正しいブラッシング・デンタルフロスのやり方をお伝えいたします。
歯周病の治療・完治後の予防に重要な工程です。
3.進行度に応じた歯周ポケット内の歯石除去
歯周病の進行度に応じて、歯周ポケット内の歯石除去を行います。
4.再評価
ブラッシング指導や歯石除去を経て、どこまで改善されたかの再評価を実施します。
5.状況に応じた外科処置
再評価の結果次第で、必要に応じて外科処置を行います。
具体的には、歯ぐきを開いて歯石を目に見える状態にしてから確実に除去し、縫合するという手術内容です。
当然麻酔をしてから実施するため、処置中の痛みはございません。
6.再評価とメンテナンス
必要な治療が終了した後、歯周ポケットの深さを測定するなどの再評価を実施します。
ここでまだ改善が必要と判断されれば別の治療の検討を行い、治療の必要がなければメンテナンスに入ります。
完治後は、年に数回の歯科検診を受けていただくことが重要です。